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ミステリの祭典

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殺意のわらべ唄
天文考古学者・神堂賢太郎

作家 風見潤
出版日1987年04月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2017/05/14 01:07登録)
(ネタバレなしです) 1987年発表の神堂賢太郎シリーズ第1作の本格派推理小説です。童謡が書かれた手紙が相次いで送られ、その詩に見立てたような事件が起きるという派手なネタがある一方で、製薬会社の複雑な人間関係(そして個人描写は不十分なのでますます誰が誰だかわかりにくい)、薬品の開発から製造に至るまでのプロセス紹介とお堅く地味な企業ミステリー要素が融合します。後半には丹念なアリバイ調査もあって意外と物語のテンポは遅めです。そのアリバイトリックが小粒なのはともかく、かなりご都合主義的な偶然に頼っている真相が(悪い意味で)気になります。

No.1 5点 kanamori
(2014/12/20 13:12登録)
消息が不明だった風見潤氏が亡くなっていたことが判明したらしい。(ソースは青学推理研の後輩・北原尚彦氏のTwitter)
風見潤氏といえば”幽霊事件”シリーズなどのジュヴナイル・ミステリの書き手という一般的イメージですが、個人的には海外ミステリ・SFの翻訳&アンソロジストという印象が強い。
主なところでは、エドワード・D・ホック「こちら殺人課!レオポルド警部の事件簿」、ジョン・スラデック「黒い霊気」、ランドル・ギャレット「魔術師を探せ!」、さらには昨年「ビブリア古書堂」で話題になったSFアンソロジー「たんぽぽ娘」など、なぜか現在ではマニアの探求本的なものが多い。

本書は大人向けの本格ミステリーで、大学講師・神堂と恋人の奈々との素人探偵コンビシリーズの第1作。
”てるてる坊主”などの童謡に見立てた製薬会社役員の連続猟奇殺人がテーマとなっていますが、派手な事件の割には解決があっけないというか、コンパクトな分量のため大きく広げた風呂敷を無理やりまとめた感があります。トリックの一部も自身の作品とダブっていたように記憶しています。

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