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ミステリの祭典

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歌麿殺人事件

作家 水野泰治
出版日1984年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 ぷちレコード
(2026/02/18 21:29登録)
歌麿の謎を追ったルポライターが自殺を遂げ、彼の親友だった男女二名がそれを追うという、歴史ミステリらしい展開を見せながら、歌麿自身も含めた登場人物たちの恋愛模様が、次第に多動的に浮かび上がってくる。
ルポライターの死は、その死因を追う二人の間に微妙な亀裂をもたらし、徐々に崩れ始める。その崩壊感覚が引き起こすサスペンスが、事件の謎以上にカタルシスをもたらす。

No.1 5点 nukkam
(2014/08/27 15:30登録)
(ネタバレなしです) 高橋克彦の「写楽殺人事件」(1983年)に刺激を受けたかはわかりませんが、1984年発表の本書は現代の謎解きと歌麿の謎解きを扱った本格派推理小説になっています。高橋作品では写楽を芸術家として、本書では歌麿を大衆画家(通俗画家?)として描いているのが対照的です。どちらかといえば現代の謎解きに重きを置いているのは美術が苦手の私には好都合です。とはいえいきなり3人の男女の屈折した人間関係描写で始まる導入は、作品中の表現を拝借すればまさに「野卑」です。作中人物に「3、4人の男女が一緒に住んで、セックスと仕事や金銭を共有する生活は、ロシア革命直後のソ連でも流行してね、ちっとも新しくないんだよ」と語らせていますが、新しかろうがなかろうが小説題材としての魅力を感じませんでした。この屈折描写(三角関係が3組もあります)をちゃんと謎解きプロットと関連させているし、本格派推理小説の伏線の張り方は高橋より巧妙だと思いますが。

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