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ミステリの祭典

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代診医の死
プリーストリー博士シリーズ

作家 ジョン・ロード
出版日2017年07月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 人並由真
(2017/10/17 15:08登録)
(ネタバレなし)
 <英国三大退屈派作家>として、クロフツ、ヘンリイ・ウェイドと並んでジュリアン・シモンズに名を挙げられたこのジョン・ロード。
 えー、クロフツ面白いじゃないの! ウェイドはまだそんなに読んでないけれど、と思ってた筆者だったが、なぜかこのロードに関してはそのシモンズの評価が念頭にこびりついて、まったく読まずにいた(例によって邦訳本はそれなりに買ってあるのだが~汗~)。大昔、『プレード街』を読もうとして、森下雨村の訳文に抵抗があったためか。まあ雨村の訳も今ならなんとか付き合えそうだけど。

 というわけでいささか本題前のマクラが長くなりましたが、今年の新刊(商業出版としては)の本作が筆者の<ジョン・ロードデビュー(笑)>なんですが、いや、これが実に面白かったですな! 
 途中までは、地味ながら警察官が足で歩き回る捜査の道筋を正にクロフツっぽいと思いつつそれなりに楽しんでおりましたが、終盤の山場でいっきにケレン味ある大技を披露。頗る最高でした。
 まあすべての真相がわかったあと、真犯人の立場にしてみればあまりにも綱渡りで現実性の低い計画を進めていたというリアリティの希薄さはあるものの、小説内の出来事としてはギリギリ許容できる範囲かと。
 いまのところ今年の翻訳ミステリ新刊のマイベストワン。これが2~3位になるようなさらなる傑作・秀作に出会えればいいのお。

No.1 6点 nukkam
(2014/08/18 17:58登録)
(ネタバレなしです) 1951年発表のプリーストリー博士シリーズ第53作となる本格派推理小説です。トリックは古典的ですがアガサ・クリスティーの某作品を連想させる大胆な使い方が印象的です。ただ有力な手掛かりが少なく、推測と仮説の域を出ない中盤の謎解き議論がやや単調です。忍耐強い調査描写を読者は覚悟して読む必要があります。

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