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ミステリの祭典

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銀翼のイカロス
半沢直樹

作家 池井戸潤
出版日2014年08月
平均点7.67点
書評数3人

No.3 8点 麝香福郎
(2018/12/13 20:45登録)
「倍返しだ!」の流行語を生んだテレビドラマ「半沢直樹」は、テレビ史に残る大ヒットとなった。この原作シリーズの第4弾が本書。大手都銀の行員・半沢直樹は今回、国家権力を相手にした闘いに臨む。
地位とメンツ、プライドを懸けた対決シーンの数々は厳しい言葉のやり取り。敗者は顔色を失い、唇を震わせ、涙する。勝者となるには知略と人脈が必要。そして油断した方が負ける。
テレビドラマで片岡愛之助が演じた金融庁の検査官・黒崎も登場。霞が関の住人として、絶妙な役回りを担う黒崎をはじめ、強烈なキャラクターの登場人物が物語に花を添える。ここ一番で発せられる、あの決め台詞は痛快そのもの。

No.2 8点 E-BANKER
(2015/01/17 22:07登録)
「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」そして「ロスジェネの逆襲」に続くシリーズ四作目。
今回の舞台は「帝国航空」。そう日本航空の再建を元ネタに、いつものシリーズキャラクターが大暴れ(?)するはず・・・

~半沢直樹シリーズ第四弾。今度の敵は巨大権力。新たな敵にも「倍返し!」。頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、五百億円もの債権放棄を求める再生タスクフォースと激突する。政治家との対立、立ちはだかる宿敵、行内の派閥争い・・・etc。プライドをかけ闘う半沢に勝ち目はあるのか?~

というわけで、あの「半沢直樹」である。
今、日本で一番有名な銀行員である(?)・・・(私自身、地上波は全く見ていないのだが)

今回も更に強力になった敵対勢力に対し、正面突破を挑んでいく半沢。
とにかく熱い、熱い、暑い男たちの物語。
(お楽しみの「倍返しだ!」が登場するのは単行本の303頁一回だけ! これってネタばれだろうか?)
ただ、正直なところ、途中まではあまりにも分かりやすく、極端に言うと戯画化した正義VS悪者という構図に、「何だかなぁ・・・単純すぎるだろ!」というように思いながら読み進めていた。
さすがに、池井戸作品も「馴れ」と「人気の過熱」が悪い方へ来てるのかという落胆も感じていたのだ。

しかし、やはり作者は只者ではなかった。
本作のヤマそして白眉は「終章」に詰まっている。
半沢たちの活躍で帝国航空に対する債権放棄を回避、そして半沢の前に立ち塞がっていた大物政治家にも「ギャフン(死語)」と言わせ、物語が大凡の終局を迎えたその時。
中野渡頭取が敵対勢力である紀本常務に対して切々と語る言葉・・・
銀行員として、社会人として、そして何より人間として、どういう行動を取るべきなのか。
欲望、保身、妬み、プライド、誇り・・・人間は様々な感情を抱えながら生活している。
作者は人間の“素”の感情を表現するのに、「銀行員」そして「銀行」という舞台こそが最も適しているということを熟知しているに違いない。

私自身も社会人の端くれとして、日々過ごしている。
いろいろなしがらみも当然抱えているのだが、それでも「誇り」「矜持」を持って前へ進もう。
そう思わせてくれる作品だった。
単純って書いていたが、実は私自身が「単純」だったわけである。
でもズルイよねぇ、作者は。これを計算ずくで書くのだから・・・

No.1 7点 haruka
(2014/08/12 23:01登録)
今回は半沢よりも中野渡が目立つお話でした。いろんな意味で次回作が楽しみです。

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