home

ミステリの祭典

login
どこの家にも怖いものはいる
「幽霊屋敷」怪談

作家 三津田信三
出版日2014年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 名探偵ジャパン
(2017/08/07 20:30登録)
同作者が「幽女の如き怨むもの」を執筆している期間に蒐集した、出所が不確かな話を掲載している。という設定で、冒頭に「ここに掲載されている話を御存じの方は、出版社までご連絡下さい」みたいな一文が書いてあるという徹底ぶり。こういう小技を効かせてくるところは、三津田ホラーの真骨頂。
メインのストーリーの間に挿入される「三津田パート」に、逐一「幽女の如き怨むもの」の執筆状況が書かれており、同作の宣伝も兼ねています(笑)
以下、少しネタバレ的記述。





全五話のストーリーにある「ミッシングリンク」を最後に三津田が見抜くのですが、「○○が全て同じ」というトリックが、「幽女~」のメイントリックと似ているのです。「事あるごとに『幽女~』を出してきていたのは、そのためだったのか」と、三津田の遊び心にほっこりしました。

No.1 5点 kanamori
(2014/09/22 21:42登録)
ホラーミステリ作家の「僕」三津田は、某出版社の若い編集者・三間坂と知り合う。以前から三津田の小説のファンだったという三間坂と仕事を離れて会ううちに、ある怪異譚が綴られた2冊のテキストを提供され、それらに共通点があることに気付く-------。

初期の”作家三部作”と同じように作家・三津田信三を主人公としたホラーミステリですが、三津田が直接怪異現象に巻き込まれるといった内容ではなく、日記や手記、私家本などの形式で語られる5つの怪異譚を繫ぐ謎を解明する構成となっていて、テイストは「のぞきめ」の系統に近い。
一種のミッシングリンクものと言えなくもありませんが(繋がりにちょっとした意外性があるものの)、さほどその謎解きに力点が置かれているわけではないのが少々物足りないです。
怪異譚も第三者の体験話という構成なので、初期作品のような恐怖の臨場感はさほど味わえませんでした。

2レコード表示中です 書評