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ミステリの祭典

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波上館の犯罪

作家 倉阪鬼一郎
出版日2014年08月
平均点3.33点
書評数3人

No.3 4点 名探偵ジャパン
(2020/01/20 10:19登録)
これはいけません。
仕掛けとしては、これまでで最高難度のことに挑戦していることは分かりますが、ぶっちゃけ言ってしまえばそれだけです。
倉阪鬼一郎のバカミス、仕掛け本といえば、その仕掛けの難度もさることながら、書かれている話だけを取り出してみても面白い、という奇跡的な代物だったはずです。
はっきりいって今回のものは面白くないです。「亡霊がやった」「いや、やってない」のやりとりが延々と続くところも、ただのページ数稼ぎであることバレバレで辟易しますし、トリックも「何じゃそりゃ」というものばかり。
作者は本作を機にこの手の仕掛け本から撤退することをあとがきで表明していましたが、それもやむなしだと思います。色々と命を削りすぎたのでしょう(笑)ゆっくりと療養してほしいです。

でも、いつか、また「仕掛けが凄くて面白い」バカミスをひっさげて帰ってきてくれることを信じています。
ありがとう、倉阪鬼一郎! あなたこそ「キング・オブ・バカミス」でした。また会う日まで!!

No.2 3点 風桜青紫
(2015/12/19 21:50登録)
一ページ目でトリックがわかるというある意味すごい小説。内容は実につまらないが、ここまでネタに全力をかける倉阪鬼一郎の作家魂に拍手を贈りたい。でもやっぱり、この内容はどうにかならなかったんだろうか。美波、完全に阿呆の子じゃないか!

No.1 3点 kanamori
(2014/08/30 18:33登録)
とある半島の近海に浮かぶ小島に建つ白亜の洋館。波に浮かんでいるように見える”波上館”で、館主の芸術家が謎の窒息死を迎えた後、残された家族・使用人がドミノ倒しのように殺されていく--------。

”わたしは犯人、探偵、被害者、記述者、そして波------” といったような、謎めいたフレーズが冒頭に置かれたゴシック小説風の作品。
毎年恒例のバカミス・シリーズの一冊、かと思って読んでいたらテイストがちょっと違う。
あとがきによると”交響曲シリーズ”とあるが、そんなシリーズは聞いたことがない、だまされた気分だw それでも、泡坂妻夫の「しあわせの書」にインスパイアされたような例のお遊びは入っていますが......(だから今回は一段組なのか)。
物語の中味のほうは、率直にいって「つまらない」のひとことです。倉阪さん病んでないですか?と、ちょっと心配になる。

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