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ミステリの祭典

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闇の夢殿殺人事件
天文考古学者・神堂賢太郎

作家 風見潤
出版日1989年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2019/11/01 20:05登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表の神堂賢太郎シリーズ第2作の本格派推理小説です。ある宗教団体に関わる秘密を探っていたらしい女性の失踪事件に神堂が巻き込まれます。個人的には組織犯罪絡みは本格派の謎解きのテーマとしては好みではないのですが、本書は組織描写はほとんどなく登場人物も多くないのでその不安は払拭されました。むしろ父神さま、母神さま、太子さまといった教団の重鎮に神堂が易々と面会できる展開にこの組織運営はどうなってるんだと突っ込みたいぐらいです(笑)。謎解きプロットはやや甘く、殺害時刻が絞りきれていないためかアリバイは鉄壁どころかかなりあやふやなものにしか感じられないし、密室の謎はかなり終盤になってから唐突に発生したりしていますが推理説明は意外としっかりしたものでした。

No.1 6点 kanamori
(2014/09/02 17:55登録)
奈良の学会に出席していた天文考古学が専門の大学講師・神堂は、指導教官の娘でもある恋人の奈々から、失踪した友人の姉を捜してほしいと頼まれる。友人の姉は、聖徳太子の生まれ変わりを教祖とする新興宗教と関わっていた--------。

神堂賢太郎&早瀬奈々の素人探偵コンビが、写真の暗号、アリバイ工作、密室トリック、ならびに新興宗教の秘密に挑む本格編で、「殺意のわらべ唄」に続くシリーズ第2弾。
若い男女探偵による”奈良殺人案内”という趣があって、プロット的には火曜サスペンス劇場風なのですが、コンパクトな長編のなかに、多彩で細かなトリックが散りばめられているので割と楽しめました。
アリバイ・トリックが綱渡り的など、いろいろ小さな難点がありますが、法隆寺の夢殿を模した教団の祈祷所の密室の謎は(オリジナリティはあまりないにしても)まずまずの出来では。
(しかし、この男女探偵は、深谷忠記の黒江壮&美緒コンビと造形イメージがかなりカブってますねw)。

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