夜までに帰宅 |
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作家 | 二宮敦人 |
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出版日 | 2012年10月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | メルカトル | |
(2014/07/02 22:23登録) 特異な設定でのサバイバル・ホラーの傑作。 日本はエネルギー政策により、19年前から「夜」制度を導入。日没から日の出までの夜間は、すべての電力が停止し、警察も病院もその他公共機関すべて閉鎖され、外出も禁止された。 主人公である高校一年生のアキラとその仲間たちは、中間試験ののち、好奇心から夜の吉祥寺へと冒険に出かける。しかし、「夜」の街にはとんでもない危険が待ち構えていた。 やや無理のある設定だが、それなくしてはこの物語は成立しないため、この際リアリティは無視して、心を無にして楽しみたい作品である。屁理屈を捏ねずに無心で読めば必ず応えてくれる、そんなホラーの傑作だと思う。この先にどんな展開が待っているのか、気になってページを捲る手が止まらない、得難い経験をさせてくれる。 そしてオチもいい感じである。決して後味がいいとは言えないが、まさかの反転が読者を襲う。 全体としてコンパクトにまとまっていると思うし、緊迫感が若干不足している感はあるが、闇夜の中でのサバイバルゲームというイマジネーションを掻き立てる、的確な描写も秀逸であろう。 |