夜までに帰宅 |
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作家 | 二宮敦人 |
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出版日 | 2012年10月 |
平均点 | 4.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 2点 | たかだい | |
(2025/07/12 16:34登録) 政策として夜間の外出が禁止された世の中で、禁じられた夜遊びを決行した高校生たちが狂気の殺人サークルと遭遇する戦慄の一夜を描いたサバイバルホラー とりあえず、数時間でさらっと読み終えた位には読み易い作品であったと思う しかし、その分(と言うべきか)内容に深みはなく、設定の面白さに反して展開等が淡々としていてサバイバルホラーとして非常に淡白だと感じた 正直、読んでいてハラハラした箇所が無きに等しく、かと言ってグロに徹した描写があるわけでもない とにかくホラーとして致命的な程に「恐怖」がなく、かと言ってホラーに慣れてないor苦手な人に入門として勧められる本かと言うと、ヤンチャ盛りな高校生がとにかく殺人大好きなヤバい連中から逃げ回るというややキツめなストーリーが足枷になって薦め辛い… あらすじやカバーを見て期待した作品だった割に、その期待の精々1/4程度の完成度にがっかりが優ったホラー小説でした |
No.1 | 7点 | メルカトル | |
(2014/07/02 22:23登録) 特異な設定でのサバイバル・ホラーの傑作。 日本はエネルギー政策により、19年前から「夜」制度を導入。日没から日の出までの夜間は、すべての電力が停止し、警察も病院もその他公共機関すべて閉鎖され、外出も禁止された。 主人公である高校一年生のアキラとその仲間たちは、中間試験ののち、好奇心から夜の吉祥寺へと冒険に出かける。しかし、「夜」の街にはとんでもない危険が待ち構えていた。 やや無理のある設定だが、それなくしてはこの物語は成立しないため、この際リアリティは無視して、心を無にして楽しみたい作品である。屁理屈を捏ねずに無心で読めば必ず応えてくれる、そんなホラーの傑作だと思う。この先にどんな展開が待っているのか、気になってページを捲る手が止まらない、得難い経験をさせてくれる。 そしてオチもいい感じである。決して後味がいいとは言えないが、まさかの反転が読者を襲う。 全体としてコンパクトにまとまっていると思うし、緊迫感が若干不足している感はあるが、闇夜の中でのサバイバルゲームというイマジネーションを掻き立てる、的確な描写も秀逸であろう。 |