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ミステリの祭典

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モップの精は深夜に現れる
清掃員探偵キリコシリーズ

作家 近藤史恵
出版日2005年02月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 まさむね
(2022/10/12 22:59登録)
 前作「天使はモップを持って」は、連作短編として一応完結しているのだけれども、好評だったからなのか、続編が作られた模様。
 前作の語り手は、会社員である梶本大介。社内で出くわした事件を、出入りのビル清掃員キリコに相談し、解決していくというストーリーでしたが、本作で梶本大介が語り手として登場するのは最終話の「きみに会いたいと思うこと」のみ。あざといと言えばあざとい短編なのだけれども、それはそれで悪くなかった。
 で、他の3短編については、語り手が一話ごとに変わります。キリコが清掃員として様々なビルに派遣されているという設定で、それぞれのビルで働く方々が語り手を務めるわけですね。キリコは、探偵役としてはもちろん、それぞれの語り手の悩みや心の疲れまでをも解決する活躍ぶり。作者の別シリーズ(整体師探偵シリーズ)に近寄っているような気もするのですが、読み心地もよいので、こちらのシリーズも読み進めることになりそう。

No.2 6点 nukkam
(2020/10/13 23:09登録)
(ネタバレなしです) 短編集「天使はモップを持って」(2003年)は物語的に一つの区切りをつけていたのですが好評だったのでしょうか、キリコシリーズ第2短編集として本書が2005年に発表されました。「天使はモップを持って」は全8作が収められていますが、本書は(文春文庫版で)約70ページの短編4作が収まっています。前作では全作品で語り手だった大介は本書では1作のみの登場で、作品ごとに語り手が違うのが特徴です。一応は本格派推理小説に分類できますが前作と同様に犯罪が起きる前に終わる(当然誰も逮捕されたり罰せられたりしない)作品があるし、大介の登場する「きみに会いたいと思うこと」はキリコの長旅の目的は何という謎があるとはいえ、家族ドラマ要素の方が濃厚な作品です。まあ前作を読んでいるとある程度傾向は読めているので気楽に読めたし、終わり方も前作よりはすっきり感があります。但し本書が初めてのシリーズ体験となる読者だと「きみに会いたいと思うこと」でのキリコの紹介は説明不十分に感じられるかもしれません。

No.1 6点 なの
(2005/05/23 19:29登録)
キリコシリーズ第二作です。
前作のラストがアレでしたので、どうなるのかと思っていましたが、
複数の会社での事件を扱う事で解決。
相変わらず迷える人々を救ってます。
天使⇒精霊にちょこっとランクダウンしてますが(笑)
内容は手堅く、読ませます。
分量が少ないのがちょっと難点ですけど。
しかし、大介のウジウジっぷりがパワーアップしてて、
読んでて正直不快だったのは、私だけじゃないと思います。

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