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ミステリの祭典

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秘書室の殺人
課長代理・深水文明 改題『秘書室の殺意』

作家 中町信
出版日1993年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2024/02/05 22:06登録)
 文庫版で250ページ弱という文量ながら、作者らしい企みに満ちた作品。プロローグの仕掛け自体の驚きはないものの、ソコも含めた全体構成がいかにも中町信らしい。発端となった秋保温泉での事案に関してはちょっとモヤモヤした気持ちがあるし、色々とご都合主義的な部分もあるけれど、最後まで引っ張っていただけたので、楽しい読書ではありました。

No.1 5点
(2020/04/18 08:47登録)
「酔いどれ探偵」課長代理深水文明の社内殺人シリーズ第3作。
プロローグに叙述トリックを仕掛けるのは中町信らしいところですが、今回はその種明かしになっているエピローグと合わせて4ページだけ、一人称形式になっています。というわけで、その「私」とは誰なのかということが謎になっているわけです。構成全体の中での使い方は、この作者を初めて読む人だったら驚かされるでしょうねというぐらいのものとは言え、やはりおもしろいアイディアであるとは思いました。まあ偶然が過ぎると言う人もいるでしょうが。それ以外の謎というと、プロローグの「私」の行動理由などむしろホワイダニットになっているところが、この作者としては珍しいところでしょうか。
しかし事故か自殺か他殺か、決め手に欠ける最初の事件について、その原因が具体性に欠けるのは、非常に問題があります。

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