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ミステリの祭典

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萩・津和野殺人事件
氏家周一郎シリーズ 「新特急”草津”の女」改題

作家 中町信
出版日1991年07月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2023/07/11 15:37登録)
(ネタバレなしです) 1991年に「新特急『草津』の女」というタイトルで出版され、後に「萩・津和野殺人事件」に改題された氏家周一郎シリーズ第9作の本格派推理小説です。ちなみに同時期に「津和野の殺人者」(1991年)という作品も出版されていますが本書とは別の作品です。大事故が思わぬ殺人を招くというプロットはこの作者の得意技ですが、本書の場合は逃亡中の銀行強盗の自動車が病院裏で事故を起こして強盗は死んでしまいますが、盗まれたお金が見つかりません。状況証拠から入院患者がくすねたのではと疑われ、事故を目撃したと思われる女医が殺されるなど思わぬ展開で読ませます。容疑者扱いされた入院患者が否定しつつも意外と淡々と応対しているのが不思議ですね。1人ぐらいどなり散らしてもおかしくないと思いますが(私ならきっとそうします)。巧妙なミスリードもこの作者らしいですがダイイングメッセージはちょっと作為的かな(笑)。あと盗まれたお金の謎解きが中途半端なのは不満ですね。

No.1 5点 蟷螂の斧
(2014/06/20 12:42登録)
裏表紙より『サラ金から3千万円が強奪され、逃走中に犯人が交通事故死した。だが、現金は車中から発見されなかった。当然、事故現場を目撃した3人の男女に横取りの嫌疑がかかる。しかし、無実を主張する容疑者たち。やがて、1人が自殺をとげ、1人は草津行きの特急列車で刺殺される。残る1人が観光で萩へ向かった時、事件は…。小京都を舞台に連鎖する3千万円をめぐる殺人。』                 意外な真相・犯人で読者を騙してやろうという意気込みは感じられるのですが、メインの事件(猫ババ)そのものがあまり面白くありませんでした。連結列車のトリック、ダイイングメッセージなどありますが、あまり驚きはありません。まあ、意外な真相ではあるのですが、伏線が弱かったような気がします。

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