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ミステリの祭典

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O探偵事務所の恐喝
名探偵エミールの冒険

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日1998年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/03/29 12:36登録)
3編を収めたO探偵事務所事件簿の最終巻。
最初の『エミールとミンクのコート』は、事件をほとんどいやいや引き受けたトランス元刑事所長も言うとおり、雲をつかむような話から始まるところに、まず興味を引かれます。これまでにも感じられたグルメ志向が本作では顕著で、ベルギーの名物料理(シムノンはベルギー出身)が次々出てきて、そんな謎解きとは関係ない部分がかなり楽しめる作品になっています。その謎解きは、おいおいと言いたくなるような偶然が契機になって転がりだし、それなりの決着となっていました。
次の『不法監禁された男』は、監禁された人を救出できるかどうかのサスペンスが中心となる作品。
そして最後の表題作は、トランスの涙もろいところがクローズアップされ、O探偵事務所の所員たちみんなに華を持たせる、最後を飾るまさに大団円と言うにふさわしい結末で、鮮やかに締めくくってくれました。

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