| O探偵事務所の恐喝 名探偵エミールの冒険 |
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| 作家 | ジョルジュ・シムノン |
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| 出版日 | 1998年10月 |
| 平均点 | 6.50点 |
| 書評数 | 2人 |
| No.2 | 7点 | クリスティ再読 | |
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(2026/05/08 13:36登録) さて4分冊のO探偵事務所物の最後の本。連載後半作品に最終作の表題作で3本。 「エミールとミンクのコート」はエミールとトランスが盗まれたミンクのコートを追ってベルギーやオランダへ出張する話。依頼主の大盤振る舞いに戸惑いながら二人はコートを盗んだ赤あざの男を追いかける...謎は大した話ではないけど、事件を嫌々引き受けている二人が何というか笑える。メグレ同様しっかり土地の名物料理を楽しもうとするのが、らしい(苦笑) 「不法監禁された男」は事務所に届いた救出を求める男の手紙。限られた情報からエミールは送り主を推理するが、運よくバルベ犬に土地勘がある場所だった。監禁者らしい船暮らしの画家の異様な頽廃感。この男の仕業と疑念を持つが、上流社会の退廃との秘密のつながりもあってなかなか手が出せない...サスペンス主体の佳作。そういえば「13の被告」とか、初期には異様な退廃感のあるキャラが登場してたなあと思い出す。 大トリの「O探偵事務所の恐喝」では、トランスが恐喝者としてハメられて逮捕される話。探偵と恐喝とはなかなか微妙な悪縁があるものだからね。事務所で行われた依頼人との会話がホントの恐喝者に流れていたことから、事務所のメンバーにも疑いが?探偵事務所はトランス、エミール、バルベ犬、ベルト嬢の家族的な経営でもあり、そんなはずはない...「子供たちよ!」とトランスは訴えかけて、この探偵事務所最大のピンチに、事務所の面々は結束してそれぞれが持ち味を生かして活躍する! という大盛り上がりの話。いいなあ!シリーズの大団円としてバッチリ決まるナイスなエピソードである。 いや総じて大変楽しい。軽ハードボイルドくらいのノリの楽しいシリーズ物として企画された短編集である。最後は事件解決を祝って大宴会。 マレンヌのカキ、フォアグラの輪切り、オマールの殻付きコニャック煮込み、子羊の串焼き、インゲンマメ料理、ボンブグラッセ、チーズ、果物 こんなメニュー。素敵(笑) |
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| No.1 | 6点 | 空 | |
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(2014/03/29 12:36登録) 3編を収めたO探偵事務所事件簿の最終巻。 最初の『エミールとミンクのコート』は、事件をほとんどいやいや引き受けたトランス元刑事所長も言うとおり、雲をつかむような話から始まるところに、まず興味を引かれます。これまでにも感じられたグルメ志向が本作では顕著で、ベルギーの名物料理(シムノンはベルギー出身)が次々出てきて、そんな謎解きとは関係ない部分がかなり楽しめる作品になっています。その謎解きは、おいおいと言いたくなるような偶然が契機になって転がりだし、それなりの決着となっていました。 次の『不法監禁された男』は、監禁された人を救出できるかどうかのサスペンスが中心となる作品。 そして最後の表題作は、トランスの涙もろいところがクローズアップされ、O探偵事務所の所員たちみんなに華を持たせる、最後を飾るまさに大団円と言うにふさわしい結末で、鮮やかに締めくくってくれました。 |
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