宇宙消失 |
---|
作家 | グレッグ・イーガン |
---|---|
出版日 | 1999年08月 |
平均点 | 7.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 8点 | 糸色女少 | |
(2025/01/18 21:32登録) 二〇三四年、夜空から星が消失した。太陽系を包み込むサイズの暗黒球体バブルが突如出現し、星々の光を遮断したのだった。バブルについて様々な憶測が乱れ飛ぶが真実は闇の中で、三十三年の歳月が過ぎた。ある日、探偵業を営むニックは、ローラの捜索依頼を受ける。ローラは先天性の脳損傷患者であり、自発的に行動できない。誘拐だとしても何重にもセキュリティーチェックされた病院の個室から姿を消せるはずもない。 密室からの消失を扱うローラの謎と、夜空から星々を消し去るバブルなる存在の謎が思いも寄らぬ形で一点に収束する。これぞSFミステリでしか生まれ得ない、論理のアクロバットであろう。本作はアイデンティティの問題を扱った作品でもある。現代ミステリにおける「信頼できない語り手」の問題についてスマートに描き出しているのだ。それは同時に、探偵は常に真相を究明することが可能か、という問いに対する回答にもなっている。 |
No.1 | 7点 | 虫暮部 | |
(2022/08/25 13:28登録) 結末できちんと着地したようには思えないなぁ。まとめ方に困って卓袱台返し? そもそも物語と〈バブル〉の関わりのバランスが悪い。中盤へ読み進む頃にはそんな設定すっかり忘れていた。後半暴れるかと予想していた《子ら》も、いつの間にか居場所が無くなってたし。 中軸となる、語り手とその周辺の日常(と言うには剣呑な状況)が量子論的にエスカレートして行く様はスリリングなのに。中はしっとり、外は黒焦げ、って感じ。 |