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ミステリの祭典

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さまよえる未亡人たち

作家 エリザベス・フェラーズ
出版日2000年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点
(2017/01/18 10:02登録)
ちょっと軽め、ちょっと明るめのノンシリーズ・トラベル・ミステリー。
コージーというほどではありませんが、4人の<未亡人>が旅先でわいわいがやがやと2時間ドラマ風にふるまってくれるので、怪しげながらも独特の楽しい雰囲気を感じられます。旅ならではのゆったり感が伝わってくるようです。残念ながら旅先の情景描写はなく、旅情を感じることはありません。

事件は<未亡人>の一人の毒死のみ。発生が遅めとはいうものの、その事件だけで種々の事象を絡めて終盤まで進めていき、読者を引っ張っていく手腕はなかなかのもの。自殺か他殺かだけでなく、間違い殺人なのかどうかという謎を付加したことはいいアイデアだと思います。これがあるのとないのとでは大違いです。
さらに、主人公ロビンの淡い恋心を交えながらの、ああでもない、こうでもないといった寄り道捜査は素人探偵だからこそのもので、これも魅力のひとつです。

謎解きネタとして伏線、手がかり描写、ミスディレクションなどさまざまな小技が駆使してあり、本格物としてはスグレモノです。ただ、なんども読み返さないとわからないので、それにより面白さが低減しているのは惜しい気がします。

No.1 6点 nukkam
(2016/08/25 11:05登録)
(ネタバレなしです) 1962年発表の本書はフェラーズ流トラベル・ミステリーとでも言いたいような本格派推理小説です。スコットランド旅行中の4人の中年女性グループの1人がホテルで急死するのですが単に犯人は誰かという謎だけでなく本当に被害者が狙われたのかそれとも誤って殺されたのかという謎も提示され、二転三転する推理にさりげない伏線から明らかになる真相とよくできた謎解き作品です。但し終盤はサスペンスに富んだ謎解きになっていますが中盤までは雲をつかむような展開です。容疑者の女性たちの描き分けももう少し深彫りしてほしかったです(自分の読解力のなさは棚上げ)。

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