終わりのない事件 エリス・マッケイ主任警部 |
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作家 | L・A・G・ストロング |
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出版日 | 2014年03月 |
平均点 | 4.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 4点 | nukkam | |
(2015/12/31 07:06登録) (ネタバレなしです) イギリスのL・A・G・ストロング(1896-1958)は詩、伝記、戯曲、評論など幅広い分野で活躍し、小説も20作以上書いていますがその内ミステリーは6作程度に留まるようです。本格派推理小説の書き手として認知されているようですが、全4作のエリス・マッケイ主任警部(男性です)シリーズの第3作である1950年発表の本書はジャンルの特定に悩みそうな作品です(論創社版の巻末解説ではスリラー作品と紹介されています。エリスがどんな犯罪事件を追いかけているのか、それともこれから起きるのか曖昧な状態で物語が進行します。中盤で死体が登場するも身元はわからず雲をつかむようなプロットです。文章は洗練されていて時にはユーモアも交えていますが読みにくい作品でした。まるっきり運任せで解決したわけではありませんが、終盤でエリスは「僕は正しいことをなにひとつしていない。成り行きでひょっこり真実が見つかったというだけにすぎない」と自虐的なコメントを残しています(笑)。しっかりしたプロットは他のシリーズ作品に期待した方がよさそうです。 |
No.1 | 4点 | kanamori | |
(2014/05/14 21:15登録) ロンドン警視庁の主任警部エリス・マッケイは、デヴォン州の小村に、ある目的をもってやってきた。地元警察の旧知の警部から情報を得て、村に住む特定の3人の人物に注目し、彼らを訪ねることにしたが-------。 どうも雲をつかむような話で、本筋の事件はいったい何なのか判らないまま物語が展開する。 悪徳出版社の代表者を巡る疑惑、続発する女性の失踪、身元不明の水死体の発見など、色々と捜査対象が出現するのだが、エリス警部の訪問目的が中盤まで読者に明かされないため、モヤモヤ感が募るばかりで、いっこうに面白くならない。 有名作曲家でもあるエリス警部が、教会主催のコンサートの手助けをするサイド・ストーリーの場面では本を投げ出したくなった。 エリスと地元警察の面々とのやり取りなど、キャラクター的には悪くないのだけど、謎解きミステリとしてはかなり不満の残る作品。ジャンルとしては、本格というより警察小説+明るめのスリラーという感じで、マイケル・ギルバードの作風に近い印象を受けた。 |