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ミステリの祭典

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鼓笛隊の襲来

作家 三崎亜記
出版日2008年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 makomako
(2014/03/07 20:37登録)
 これは読み手によって評価が異なる作品と思います。読んで嫌な感じはしないと思いますが、へんてこな感覚の物語なので共感する人は共感するが、そうでない人は単なる変な物語で、何を言いたいのかさっぱり分からないといった風になりそうです。短い話ですので読むのに苦労はないのですが、私は「何これ」といった感覚のほうが強かった。

No.1 7点 メルカトル
(2014/02/02 22:25登録)
再読です。
奇想天外な設定が楽しい9編からなる短編集。どの作品もごく普通の日常の中に、突如現れる奇怪な現象や現実離れした白昼夢のような出来事を描いたファンタジーである。さらには必ず人と人との様々な繋がり方を情感豊かに描写しており、心温まる、印象深い作品集となっている。
中でも個人的に気に入っているのは、過去最大級の鼓笛隊が日本列島を縦断しようとしているため、多くの住民が避難しているさなか、祖母を中心に家族が結束して難を逃れようと家に立てこもる表題作『鼓笛隊の襲来』。
実物の象がすべり台として公園に設置され、その象を巡っての人情味溢れる感動のストーリー、『象さんすべり台のある街』。
私の落涙ポイントを直撃した、突然の「事故」で大事な人を失った女性の切ない恋物語、最終話の『おなじ夜空を見上げて』。いずれもごく普通の人が主人公であるところが重要ポイントである。
他にも、ちょっといい話や少しだけ感動できる話などが目白押しで、お薦めである。

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