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ミステリの祭典

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倒立する塔の殺人

作家 皆川博子
出版日2007年11月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 makomako
(2014/08/03 07:32登録)
 ずい分古めかしいお話で女学校の経験がある方には懐かしいかもしれないが、私にはただ退屈な話でした。執筆者が変わる書物というのも読みにくく、はっきりいって読み通すのに努力がいりました。
 小説の題名はなかなかよさそうだったのにがっかり。

No.1 4点 メルカトル
(2014/02/01 23:20登録)
タイトルからはガチガチの本格かと思わせておいて、ほぼ文学作品、ミステリの要素は構成が作中作というだけで、極薄である。かと言って、作者お得意の幻想小説的な感じでもない。本作は、太平洋戦争末期の日本の女学生たちはこんな言葉遣いをしていたのか、とか、こんなものを食べていたのか、といった日常生活に感心していればいい作品であって、ミステリ的な謎や解決を期待してはいけない。しかも、一度読んだだけではストーリーがはっきりと見えてこない、みたいなかなり難解な小説となっている。だからと言って、決して読みづらいわけではなく、むしろこの作者にしては読みやすい部類だと思われる。
まあしかし、文学作品としてはある程度評価できるのではないだろうか。ただ個人的にはあまり好みの範疇ではなかった。プロットなどは見るべきものはあるが、全体的にまとまりに欠けるきらいがある。巻末の、作品中に登場する画家の作品が何点か掲載されているのは、ちょっと変わった趣向でいいんじゃないかな。

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