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ミステリの祭典

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美の神たちの叛乱

作家 連城三紀彦
出版日1992年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2015/12/07 15:42登録)
謎を秘めた3つのバラバラな事件がやがて一つに纏まってゆきます。逆説的な言い回しが頻繁に出てくるので、途中かなり惑わされました(苦笑)。そしてルノワールの贋作を巡ってのコンゲームの開始となります。コンゲーム自体はあっけない幕切となるので、変形的な”愛”を描きたかったのか?・・・。それとも、30代の美貌を保つ83歳の怪物マダムの謎とモデル・マリー(23歳)にまつわる謎の対比なのか?・・・。

No.1 7点 kanamori
(2014/07/16 22:40登録)
パリでジゴロとして暮らす曜平は、画家の藤田から”怪物”と呼ばれる元女優のランペール夫人を紹介される。彼女はわずか300フランでルノワールの絵画を手にいれる計画を企てていた---------。

ルノワールの贋作絵画を巡るクライム小説。
もともとテーマ自体に騙りや嘘、仕掛けの要素が内在しているうえに、発端のプロローグ風の複数のエピソードの部分から小さな反転や逆説が連発され、読者をとことん幻惑させるいつもながらの連城ミステリになっている。
そのため、序盤は話の方向性が見えないのだけど、しだいに贋作ルノアールの持ち主である画商デュランVSランペール夫人グループという構図が明らかになる。
若さと美貌を維持するために全財産をつぎこむ80歳を超えたマダム・ランペールの”怪物”ぶりが半端ないが、コンゲーム的な面白さが、ある事件を契機に急速にしぼんでしまったのは残念なところ。終盤は一種の恋愛小説に変転してしまった。

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