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ミステリの祭典

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ダンガンロンパ霧切2

作家 北山猛邦
出版日2013年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 名探偵ジャパン
(2014/08/15 21:34登録)
純然たる続編なので、前作読了は必須。
今回も大がかりな物理トリックを駆使して楽しませてくれる。
この手のトリックを用いる際、必ず突っ込み所として挙げられる、「どうやって準備を?」の問題は、大きな権力、財力を持つ犯罪組織がバックにつき犯人をサポートする、という設定でクリア。
「作中において探偵は(死亡するような)被害に遭わない」というミステリのお約束を作中に取り込んだ、「探偵オークション」なるガジェットも登場。(その日の『探偵役』をオークションし、落札者にはその一日犯人は手を出さないという、安全を買うシステム。必ずしも探偵行為を行う必要はない)
ただ、そういった舞台設定や制約があまりに多すぎるきらいはある。殺害トリックも、「そんなにうまくいくかなぁ?」と感じないこともない。
作者得意の浮世離れしたキャラも、原作がゲームのため違和感なく溶け込んでいる。北山はノベライズと相性がいいと再確認した。
二作限りのお祭り企画かと思ったら、続きがあるらしく、心待ちにしたい。
(ただ、本作最後の展開を見ると、次はミステリというより、ホラーとかSF要素が強くなりそうな・・・)

No.1 6点 アイス・コーヒー
(2014/01/26 13:04登録)
シリーズ第二巻。廃墟となったノーマンズ・ホテルに集められた霧切たちは、次なる黒の挑戦、「探偵オークション」に挑む。
ページ数も前作の二倍ほどになり、登場人物も増加、いよいよ本格的になってきた。本作は作中で描かれる「探偵オークション」とホテルで発生した殺人の二つが見どころ。さらには登場人物たちそれぞれの思惑もあり、かなり複雑化している。メイントリックではストレートな物理トリックが使われ、ファンとしても期待通りだった。
しかし、本来綿密にたてられているはずの犯行計画が思いのほか杜撰であり、結末も少し強引なものになっている。まさしくこれが三巻への伏線だと考えられるのだが、果たして今後、「探偵図書館」と「犯罪被害者救済委員会」はどうなるのだろうか。また、ストーリーの特性上、特殊ルールが膨大で面倒である。やはり、詳しい評価をするには三巻を待つほかない。

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