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ミステリの祭典

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九十九十九

作家 舞城王太郎
出版日2003年04月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 8点 メルカトル
(2019/07/26 22:17登録)
あまりの美しさに、素顔を見せるだけで相手を失神させてしまう僕は加藤家の養子となり、九十九十九(ツクモジュウク)と名づけられた。九十九十九は日本探偵倶楽部(JDC)に所属する探偵神でもある。聖書、創世記、ヨハネの黙示録の見立て連続殺人事件に探偵神の僕は挑む。清涼院流水作品の人気キャラクターが舞城ワールドで大活躍!

名探偵九十九十九が難事件を次々と華麗に解決するという、私の期待を大きく裏切ってくれました。しかし、その期待以上の小説でもありました。正直、一から十まで全てを理解できたとはとても思えませんが、決して難解なのではなく混沌としているのです。
清涼院流水を始め実名の作家の名前が登場したり、主人公が過去へ未来へ行き来したり、メタな展開には眩暈がする程です。しかも、一人称で書かれた文章は誰あろう九十九十九本人の手によるもの。禁忌として決して触れてはならない探偵神の内面を抉るように描かれており、さらには同時に三人の九十九十九が現れるという荒唐無稽ぶりを見せる。しかし、必ずしも破綻することのない世界を構築している手腕には脱帽せざるを得ません。これが舞城王太郎の底力なのでしょうか。
最早JDCも探偵も超越した独自のワールド、しかしそれらがなければ成立しない世界。何だかんだ書いても、おそらく私の駄文では一ミリも雰囲気すら味わえないであろう暗黒に屹立する異形(偉業)。読まなきゃ判りません。

それにしても文庫版の装丁・・・。

No.3 7点 風桜青紫
(2016/01/17 21:15登録)
ふざけたトリックと、流水大説のパロディの数々に笑いが止まらなかった。とにかく流水の扱いがひどい。「もう殺してこの清涼院流水!」ってwwww。と思ったら流水本人が元気に登場するし、JDCがトンチキ集団だし、人がどんどん死んでいくし、ていうか流水死んだwww。わちゃわちゃやってるけれども、流水大説の本質をよく捕らえていて、さらにそれを作品の面白さにつなげている過程が見事。まさしく「流水が死んだ!」。

No.2 4点 VOLKS
(2008/09/12 22:20登録)
舞城作品、清涼院流水作品化か(笑)
いつもの作品に輪を掛けてハチャメチャな作品。正直これはダメだった。それにしても西暁町、怖い。

No.1 8点 ぷねうま
(2007/09/19 23:09登録)
清涼院流水の作品の登場人物を舞城王太郎がスピンオフさせた作品。
章が続くごとに作中作中作中作…、となっていき特に後半のカオスっぷりなんて説明の仕様がない。
舞城ファンの間でも否定的な意見が多い様子。竹本健治の「ウロボロス」シリーズなどが好きでなおかつ舞城好きにはオススメ(すごいターゲット狭そうだ)

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