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ミステリの祭典

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特捜部Q Pからのメッセージ

作家 ユッシ・エーズラ・オールスン
出版日2012年06月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 猫サーカス
(2018/01/04 18:59登録)
コペンハーゲンが舞台の警察シリーズ第三作。未解決事件専門の特捜部Qにスコットランドの海岸で7年前に見つかったボトルメールが送られてきた。カール警部補の二人の助手は、海水と歳月で損傷した手紙の解読にのめりこむうちに、文面からおぞましい疑惑が姿を現す。遠い過去の事件が現在にどう結び付くか、犯人像がじっくり描かれ、説得力もたっぷり。自宅で介護することにした半身不随の元同僚の様子や、カウンセラーのモーナとの恋など、カールの身辺の変化も読みどころ。とりわけ個性的すぎる助手たちとカールのちぐはぐなやり取りが笑いを誘い、いい味を出している。

No.1 7点 kanamori
(2014/04/03 20:50登録)
スコットランドの海岸に流れ着いた壜詰めの手紙。デンマーク語の「助けて」という文字と書き手の「P」の頭文字だけが判読できる謎のボトルメールの事案は、回りまわってデンマークの特捜部Qが担当することになるのだが------。

コペンハーゲン警察の地下室に設けられた未解決事件を専門に扱う「特捜部Q」シリーズの第3弾。
カール・マーク警部補と奇矯な2人の助手の3人体制という小世帯の特捜部Qが今回扱うのは、過去からのボトル・メッセージの解読。その十数年前の事件の真相を掴みかけたところに、さらに同一犯人による現在進行形の誘拐・監禁事件が発生していることが判明する。
捜査側と犯人視点の並行した描写に加え、犯人の妻や被害者たちの母親視点のサスペンス部分も挿入されるという重層的な構成のため、ポケミスで600ページ近い分量はかなり読み応えがある。質量ともにシリーズ一番という評価も納得の出来栄えだと思います。さらには助手の男女2人、シリア人アサドとローセも何やら秘密を抱えており、シリーズを通して少しずつ明らかになるサイドストーリー部分も気になるところ。(しかし、アサドとローセの情報収集能力はハンパないなw)

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