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ミステリの祭典

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一つ屋根の下の探偵たち

作家 森川智喜
出版日2013年06月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 5点 平和マン
(2015/08/11 17:50登録)
 特殊な設定の探偵たちや、推理過程の掘り下げ、探偵役たちの推理合戦など、森川らしい要素は楽しむことができたが、いまいち話が地味だった。森川作品の面白さには、やはり荒唐無稽なハチャメチャさが一役買っているのではないかと考える。

No.2 6点 アイス・コーヒー
(2014/10/26 12:49登録)
二人の探偵とルームシェアをすることになった作家の浅間が、真逆の性格を持つ二人に同じ事件の捜査をしてもらい先に解決した側のことを本に書いて謝礼を渡すことを企画。そして問題の事件というのは内側から鍵がかかった部屋で男が餓死する、通称〈アリとキリギリス〉事件だった…。

二人の探偵が競うように事件を推理する本は前々から読みたいと思っていたが本作がソレ。アリ的努力タイプの町井とキリギリス的天才タイプの天火の二人はどちらも個性あふれる魅力的なキャラクター。このアリとキリギリスの構図が作品のテーマになっている。
密室での餓死というとノックスの「密室の行者」を思わせるが、冒頭でそのトリックは否定される。では犯人はなぜ、どうやって殺人を成立させたかというと…かなりゴリ押しだが実に上手く料理されている。
また、伏線の配置やロジックも素晴らしくほとんど完璧に機能している。アリとキリギリスの構図を詰め込みすぎたあたり強引さも残るが、このゴリ押し感が本作最大の魅力。著者の強みなのだろう。

No.1 7点 虫暮部
(2014/01/07 12:27登録)
ミステリの小ネタを探偵のキャラクターで読ませるタイプの作品かと思ったが、真相には結構驚かされた。
 ただ、数字錠は番号を忘れても時間さえかければ必ず開けられるはず。事故という仮説に付随してその点が一度も語られていないのは手落ちではないか。

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