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ミステリの祭典

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八王子七色面妖館密室不可能殺人

作家 倉阪鬼一郎
出版日2013年09月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 名探偵ジャパン
(2018/01/04 22:21登録)
新年一発目の書評は倉阪鬼一郎のバカミスでめでたく行きたい。と考えていましたので、未読だった本作を選んでみました。
相変わらずの費用対効果の悪すぎる苦労と頑張り。もうこの手のものを何作か読んでいる身としては、「そうだね!」と極めて短い言葉で作者の努力を讃えるしかないのですが、この手のものを何作も書くというのは、やはり偉業なのではないかと思ってしまうのです。
後半に入ると、「バカミス」の一言で片付けられない、いやにしんみりとした展開が待っています。「悪魔にだって友情はあるんだー!」と号泣しながら叫んだ悪魔超人サンシャインではないですが、「バカミスにだって人間ドラマはあるんだー!」と私は叫びたい(号泣はしません)。
著者近影で、猫の着ぐるみを着てマラソンを疾走する作者。これもドラマでしょう。

No.1 4点 kanamori
(2013/09/22 18:03登録)
連続して密室殺人が起こる”謎めいた館”の意外な正体と、無駄に労力を使った馬鹿馬鹿しい文字組みの仕掛けで、読者の苦笑と脱力を誘う例のバカミス・シリーズ-------と思っていたら、後半に作者自身が登場しメタレベルの展開になってから、ガラリと作風が変調する変化球になっている。
正直、前半のネタは、これまでシリーズでやってきたことの劣化版コピーで新味は全く感じない。後半の展開も、作者の別作品(ホラー&恋愛もの)に耐性があれば許容できるかもしれないが、このタイトルで期待するものと差がありすぎ、たいていの読者は納得いかないのではなかろうか。

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