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ミステリの祭典

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ミステリガール

作家 デイヴィッド・ゴードン
出版日2013年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 YMY
(2024/01/29 22:59登録)
未完の実験的小説を書きためるも、未だ一編も売れず、助手家業のプロとして糊口をしのいできた小説家志望のサム。勤め先の古書店が潰れ、その上、妻から別れ話を切り出された彼は、巨漢の引きこもり探偵の助手となり、「ミステリガール」と呼ばれる女性の素行調査を始める。
奇矯な天才型名探偵にカルト・ムービーに実験小説。全編にぶちまけられたジャンクなガジェットと、いかれた人物が醸し出す熱気にあてられつつ、次から次へと変化するストーリーに酔いしれていると、終盤に至って周到に練り上げられたミステリと解って驚いた。

No.1 6点 kanamori
(2013/07/23 18:58登録)
働いていた古書店が潰れ、妻からは別れ話を切り出された小説家志望の「ぼく」は、探偵助手の仕事をみつけ、巨漢のひきこもり探偵から謎の美女の素行調査を命じられる-------。

「このミス」をはじめ一昨年のミステリランキング海外部門の三冠に輝いた「二流小説家」の作者による第2作。
謎の美女の正体とカルト映画フィルムに絡む殺人事件に巻き込まれる主人公は、前作の主人公とほとんど同じキャラクター。このダメ男・サムの自虐的な語り口が絶妙で、友人の映画オタクやネロ・ウルフもどきの巨漢の探偵など、個性的な脇役陣のキャラクターも面白い。(饒舌なウンチク部分が脱線ぎみなところもあるが)。
ただ、前作では弱いなりにも成功していた謎解き部分が今回は微妙な出来になっている。とくに終盤に入って、次々と真相が明かされる手段が、カギを握る三人の人物によるなが〜い独白という構成には疑問が残る。

ところで、本書も日本で映画化されるとして配役を考えてみた。
主人公のサムは「二流小説家」と同じ上川某、レスビアンの古書店主には剛力で(彼女にはミスキャストという言葉はない)。巨漢の探偵にはマツコデラックスを男装させてはどうか。

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