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ミステリの祭典

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ヘンたて2 サンタクロースは煙突を使わない
ヘンたてシリーズ

作家 青柳碧人
出版日2013年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2020/10/25 22:51登録)
幹館大学ヘンな建物研究会、通称「ヘンたて」に所属する亜可美は今日も個性豊かな仲間と活動中。なぜか同行した先輩のシューカツ先は床が芝生のパター製作会社、サークル幹事長が代替わりしての初遠征はまさかの卵とじ密室と、今回もヘンな建物てんこ盛り。そして伝説の4年生も合流したクリスマス合宿の舞台は、雪の結晶型コテージ。星の輝く夜に仕掛けられたサンタクロースの完全犯罪とは?好評建物ミステリ第2弾。
『BOOK』データベースより。

へんたてに纏わる日常の謎に挑戦する4編から成る連作短編集。
全体的に前作よりも出来が良いように思います。どの作品も一定の水準を上回っており、特に最終話は不可能性が最も高く、暖かみのある雰囲気と共に青春を感じさせる佳作に仕上がっていると感じます。ただ序盤に作者の意図に気付かれやすいのが悔やまれます。どれも変な建物の構想がよく練られており、それが仕掛けと絶妙にマッチしている点など評価できると思います。

メンバーは全部で十人ですが、さりげなく作中でそれぞれの個性が描写されていて、混乱することはありません。その手腕だけでも素晴らしいのではないでしょうか。
そして各話に見取り図が随時挿入されて、読者の中でイメージしやすく、その丁寧な仕事ぶりには感心します。
青春ミステリとして登録されていて、それは間違いないと思いますが、個人的には日常の謎の方に重心が置かれている気がします。しかし、メンバー全員が個性を発揮し、青春群像としての一面も持ち合わせていたりします。まあとにかく全てに於いて後味がよく心地よく読み終えられました。ちなみに、私も本作で名前の隠された秘密について漸く気づきました。

No.1 6点 虫暮部
(2013/05/09 08:58登録)
“ヘンな建物”縛りの“非日常の謎”は好調。特に第1話は諸々の要素が上手く噛み合って佳作に仕上がっていると思う。ところで、2巻目の第2話にして、ようやく登場人物のネーミングの元ネタに気が付いた。

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