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ミステリの祭典

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空洞星雲
那須警部シリーズ

作家 森村誠一
出版日1980年07月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/03/29 20:13登録)
(ネタバレなしです) 新本格三部作の第2作として1980年に発表された作品で、社会派推理小説要素の強かった第1作「太陽黒点」(1980年)と比べると密室にアリバイ崩しと本格派推理小説らしさを感じることができます。「太陽黒点」の登場人物の何人かが再登場しているので、先にそちらを読むことを勧めます。密室トリックはやや肩透かしトリックですが、アリバイトリックはなかなかよく考えられています。現代ではあまり見られなくなった器具が使われているのですが、細部まで丁寧に説明してあるので古いけど古臭くは感じませんでした。犯人探しとしては不満があり、これなら「殺意の分業発信」の章で解決させた方がよかったと思います。とはいえ最終章の追跡劇のスリルは傑出した出来映えだし、「フラッシュバック」の章の推理小説家めった切りも楽しいです(ちょっとやり過ぎかも?)。

No.1 5点
(2013/04/29 23:57登録)
長編3部作の第2作だそうで、第1作の『太陽黒点』は読んでいないのですが、本作の巻頭には、その前作と共通する登場人物の簡単な紹介が置かれています。ただし独立して読める作品にはなっています
角川文庫版の解説には、第1作が社会派でこの第2作はトリックを駆使した本格ものとしながらも、「単なる本格ものの推理作品という以上の文学的価値がある」と書かれていますが、実際のところ、本格ものとしては「単なる」と言いたい内容です。事件全体の流れの中に密室とアリバイがはめ込まれているのですが、そのはめ込み方がまず不満なのです。森村誠一は同じ偶然パターンを以前に少なくとも2度使っていますが、今回は特に不自然に思えます。また電話のアリバイ・トリックも同じことができるもっと単純な方法があるのです。暴走族リーダーの人物造形と活躍で、かろうじてこの点数といったところでしょうか。

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