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ミステリの祭典

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気ままな女
ペリイ・メイスン

作家 E・S・ガードナー
出版日1958年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 弾十六
(2020/01/27 21:21登録)
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第56話。1958年5月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1958-2-1〜3-22)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の7作目。ヴァガボンドの衝撃的告白に打ちのめされる娘、運命に翻弄されます。メイスン登場は第2章から。むかしは帽子ピンが女の武器、今はアイスピックをハンドバッグに忍ばせるのが良い、という行動的な娘。恐喝者には平手打ちです。デラはミス・アメリカみたいな美人秘書だ、とホーカム(ホルコム)はお世辞、メイスンはミス・ユニヴァースと訂正。法廷は予備審問、メイスンはネチネチ尋問、バーガーは途中から参戦、目標は相変わらずメイスンの破滅。最後はメイスンの閃きで真相が判明します。判事は被告鑑別手続き(先入観を持たせた証人に被告が一人でいるところを見せ識別させる)が不適切だ、と検察側に反省を求めます。(似たような鑑別法がメイスン物では今迄何度も繰り返し描かれていますが、当時の実態がこの通りだとすると恐ろしいことですね…)
(2017年5月5日記載)

No.1 6点 nukkam
(2018/10/05 23:04登録)
(ネタバレなしです) 1958年発表のペリイ・メイスンシリーズ第56作の本格派推理小説です。ある女性が見知らぬ女性と無理心中になりそうになって何とか助かり(相手は死亡)、その後(かなり無理矢理感がありますが)死んだ女性になり替わろうとします。脅迫者が現れたのを機にメイスンへ相談しますが、読者は彼女がメイスンに隠し事をしているのを知ったまま物語が進む展開が新鮮です(メイスンも薄々気づいていますが)。殺人事件が起きて彼女が10章でついに逮捕されたかと思うと11章ではもう法廷場面です。メイスンが被告を証言台に立たせるレアな場面が用意されています。17章でどんでん返しの真犯人指摘、しかしそれよりも「裁判記録を完全にするため」のメイスンの最後の一手が想像の斜め上を行く衝撃でした。18章のメイスンが真相に気づいた理由の説明は推理の説得力としてはどうなんだろうと思わなくもありませんが、それがタイトルに使われている「気ままな」の真意なのかもしれません(英語原題は「The Case of the Foot-Lose Doll」です)。

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