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ミステリの祭典

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とりすました被告
ペリイ・メイスン

作家 E・S・ガードナー
出版日1958年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 弾十六
(2020/01/20 01:43登録)
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第50話。1956年5月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1955-12-10〜1956-1-28)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の4作目。連載中のタイトルはThe Case of the Missing Poison。眠る女と医師の不気味な実験室から始まる物語、メイスン登場は第2章から。5ドルで子供たちを手なずけるメイスン。メイスンの乾杯は「健康を祝して」トラッグ久々の顔出し、嬉々として新聞発表をする「ホーカム」巡査部長はお馴染みホルコムのことですね。チョコレート・サンデーに抵抗できず肥りかけた20代の半ばすぎのガーティ。裁判の予想は10対1でメイスンの不利、バーガーは嵩にかかって攻め立てますが、メイスンの鋭い指摘でヘナヘナとなります。解決は鮮やかですが検察側が間抜け過ぎです。
銃は登場しませんが、レミントン製UMC16番と刻印された16ゲージの猟銃の弾が登場、散弾ですね。
(2017年5月1日記載)

No.1 6点 nukkam
(2017/10/28 00:12登録)
(ネタバレなしです) 1956年発表のペリー・メイスンシリーズ第50作の本格派推理小説です。麻酔薬を使った治療を受けていた女性が何と殺人を犯したことを告白するという冒頭がなかなか刺激的です。告白は真実なのか、真実だとしたらこの告白は法廷で証拠になるのかというだけでも興味深いですがこの作者はまだまだひねりを加えます。ビン詰めにして湖に捨てられた毒薬、有能な秘書デラの意外なおせっかい、被害者と被告の意外な関係などが複雑に絡み合いますが、これでもメイスンシリーズの中では地味なプロットです。それでも嘘(であることは読者には明白)の証言でメイスンが追い詰められる法廷場面では緊張感が頂点に達します。ここぞとばかりにかさにかかる宿敵ハミルトン・バーガー検事に対してメイスンが被告人の権利を放棄するかのような勝負手を打ち、一気にどんでん返しの謎解きが繰り広げられます。

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