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ミステリの祭典

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なげやりな人魚
ペリイ・メイスン 別題「あわてた人魚」

作家 E・S・ガードナー
出版日1956年09月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 弾十六
(2019/08/18 00:09登録)
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第35話。1950年1月出版。連載Collier's(1947-9-17〜10-22) ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
カヌーに乗ってメイスン登場。ジャクスンが久しぶりに登場、レンズの厚い眼鏡をかけフクロウのような目をしており、事務所に有利な判決を探し出すのが得意。メイスンは「ぼくは心の狭い、こうるさい、旧式な男だ」と告白。メキシコ料理屋の占い師がデラについて、長いこと孤独で幼い頃に父は離婚しその悲しみで母は死んだ、と占います。メイスンは危ない冒険はしませんが、結構追い込まれますが、巧みな反対尋問で検事は慌てふためき、保安官は敵意をむき出しにし、遂に鮮やかな解決を迎えます。締めくくりは「犯罪のために乾杯」
銃は、翻訳では「.38口径の自動拳銃」とあるのですが、その後、同じ銃を「銃身が2インチ、.38口径の特大の新型スミス・アンド・ウェッスン」one of a new Smith and Wessons with a two-inch barrel, a .38 specialと証言します。(specialを「特大の」と誤訳) 1949年から販売されたK-38 Combat Masterpiece(38スペシャル弾)が候補。他に.44口径の「自動拳銃」(メーカー名等の詳細不明)も登場。「シリンダーを横にはずして」と書かれていることからリヴォルヴァである事は明白です。訳者は「自動拳銃」を誤解しているようです。(旧訳「なげやりな人魚」妹尾訳を見ると、高橋訳「自動拳銃」のところはいずれも「拳銃」(一箇所だけ「複動の拳銃」double action)ときちんと訳されていました。)
(2017年4月9日記載)

No.1 6点
(2018/06/25 23:22登録)
文庫化時に『あわてた人魚』に改題された作品で、読んだのは文庫版の方です。最後にデラが事件をファイルにする時に、おもしろい題名を思いついたと言うのですが、”negligent” ですから本来は「なげやりな」の方です。まあ被告人が無頓着だったから洗濯屋のマークを付けっ放しにしていたと考えても、あわてていたからそのバスタオルを置きっ放しにしたと考えてもよさそうです。
依頼人登場から始まるのではなく、最初からアクション・シーンが出て来て、メイスンがそれに巻き込まれるという発端です。その盗難事件をメイスンがうまく法廷で処理した後、盗難被害を届け出ていた富豪が殺される事件が起こる展開です。被告人の嘘によって、メイスンが法廷で苦境に立たされるところ、メイスンの内面に踏み込んで描かれるのは珍しいと思います。最後バタバタと新事実が明らかになるところはご都合主義な気もしますが、とりあえずこの点数。

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