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ミステリの祭典

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さあ、地獄へ堕ちよう

作家 菅原和也
出版日2012年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2016/08/25 22:40登録)
第三十二回横溝正史賞受賞作。
主人公は抗不安剤、鎮痛剤などを乱用する、SMバーのホステスで、彼女の周囲で猟奇殺人が連続する。どうやらある闇サイトが関係しているようなのだが。
本作はよく言えば問題作、悪く言えばグロすぎる。これに比べれば『OUT』などは子供みたいなものと思える。映画ならばR指定なんだろうけど、小説の場合はそういう縛りはないのでもちろん誰でも読める。しかし、気分が悪くなりたくない読者は避けるのが無難だろう。身体改造とかに興味がある人は試しに読んでみるのもいいかもしれないが。ちなみに、謎の中心である闇サイトの正体は最初に予想した通りだったので、ややがっかりだった。
ミステリ的要素は後半に若干みられるが、これが横溝正史賞とはねえ。この時の選考委員が誰だったか知らないが、ちょっと悪趣味じゃないのかな。しかし菅原氏のその後の活躍を考えると、まんざら的外れだったとも言えないかもしれない。
いずれにしてもアングラのダークな雰囲気は半端ない。

No.1 7点 虫暮部
(2013/04/11 19:07登録)
前半はネタの羅列という観があるが、後半、物語が思いがけない方へ走り出して、不安定な着地点が却って爽快感をもたらしたりする。一方で、或る登場人物の“痛みは想像力だ”という台詞は本当にそうで、読んでいると“あいたたた……”という描写が続出で非常にイヤな後味も残されてしまった(褒め言葉)。

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