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ミステリの祭典

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クローズド・ノート

作家 雫井脩介
出版日2006年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 パメル
(2024/11/13 19:18登録)
主人公の大学生・堀井香恵は、吹奏楽サークルでマンドリンを吹いていて、近くの文具店でアルバイトをしている。香恵は部屋のクローゼットから、前の居住者が置き忘れたノートを発見する。それは小学校教師の伊吹という女性の日記だった。初めは興味本位で日記を読んでいた香恵が、徐々に伊吹という女性に気持ちをリンクさせていき、日記は確実に香恵に影響を与え、時に励ましてくれる存在となる。
バイト先に万年筆を買いに来た気になる男性。友達が留学しているのをいいことに誘ってくるその彼氏。香恵がバイトしている文具店の万年筆売り場での蘊蓄は楽しいし、伊吹先生の日記により、それまで確固とした将来の目標を持っていなかった香恵の自分をしっかり見つめていくところがいい。ごく普通の女子大学生の香恵の現在の生活に伊吹先生の日記がどのように絡んでくるかは、途中で見当がついてしまうのがミステリとしては残念。伊吹先生の思いを自らの内に消化し、最後に笑顔を見せる香恵の姿が、なんとも清々しい。この作品は、恋愛小説として読んだ方が楽しめるかもしれません。

No.1 6点 あびびび
(2013/03/29 14:23登録)
賃貸マンションのクローゼットの奥に日記のようなノートがあった。それは前の住人である小学校の女性教師がつづったもので、初めて担任になった4年2組の一年間が瑞々しく語られていた。そして、恋人との甘く、切ないラブストーリーも。

沢尻エリカ主演で映画化されたとは知らなかったが、驚くような謎はなく、ミステリ色の薄い物語だった。「火の粉」などとはまったく趣がちがう。

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