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ミステリの祭典

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遮断地区

作家 ミネット・ウォルターズ
出版日2013年02月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 ◇・・
(2023/12/20 19:27登録)
孤独な老人とシングルマザーと父親のいない子供たちばかりが暮らす例所得者向けの住宅団地で、家族の安全を願って始めたはずのデモは、いつの間にか制御不能な暴力行為へと変容し、悲惨な結末へと突き進む。一方、失踪した少女の行方を捜索するうちに、親の愛情に飢えた十歳の娘を中心とする歪んだ人間関係が浮き彫りになってくる。
刻々と変わる局面に目が釘付けになる緊迫した警察捜査小説であると同時に、血と暴力と狂熱に彩られたサスペンスフルな犯罪小説。

No.1 7点 kanamori
(2013/04/17 13:14登録)
低所得者層が集まる団地を舞台に、前科のある小児性愛者が移住してきたことを契機にして、排除デモが制御不能の大暴動に発展していくというパニック小説。

「氷の家」や「女彫刻家」などの初期の暗くて重い作風とは異なり、本書は比較的ライトなキャラ立ての登場人物たちによるドキュメンタリー風の群像劇で、テンポのいい緊迫のサスペンスでした。
並行して描かれる少女失踪事件に警察小説風の謎解きの要素はあるものの、本筋との絡みがやや中途半端な感じで、大暴動と監禁された女性医師の危機的状況の行方が最大の読ませどころでしょう。
500ページを超える分量を、あっという間に読み終えることが出来た。

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