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ミステリの祭典

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妖精の墓標
心理学教室研究員トーマ・セラ

作家 松本寛大
出版日2013年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2021/08/31 10:09登録)
 既成の部品を組み合わせた新作、だけど設計図自体にも既視感あるなぁ、と言う感じ。悪くはないが、同系統作品の中で強くアピール出来る程ではない。登場人物が地味で紛らわしい。桂木のこだわりに共感しづらい。

No.1 6点 kanamori
(2013/06/11 12:48登録)
島田荘司絶賛の新人賞デビュー作「瑠璃の家」に続く、ボストンの心理学教室研究員トーマ・セラを探偵役にしたシリーズの2作目です。
信州の旧家を中心とした複雑な血縁関係が描かれているため”横溝ミステリへの挑戦”というようなコピーもありますが、作者の狙いとはちょっと違うのでは思います。
事件の性質があやふやなまま、事件と直接の関係がないような”妖精の幻視”の謎を核としているため読むのに多少もどかしさを感じる側面もありますが、巻末に載せられた多くの資料を活かした読み応えのある力作になっています。
ただ、前作と同様にあまり知られていない”特殊疾患”をネタにしていますが、それが妖精の謎に直結しており読者に推理の余地がないように思えるのが難点です。

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