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ミステリの祭典

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殺人回廊

作家 梶龍雄
出版日1990年05月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 YMY
(2019/04/08 19:26登録)
第二次世界大戦を背景にした作品。
終戦間際でのスパイ事件という扱われ方の微妙さや、公爵ならではの体面、さらには物不足、食料不足といった時代背景が全て事件に溶け込んで一つのミステリーを形成している点は評価できるが、真相は早い段階で予想できてしまうのはどうかと思う。

No.1 6点 kanamori
(2014/08/14 22:26登録)
太平洋戦争末期の昭和20年2月、東京目白の新田公爵邸の周辺に不審な男たちが出没するという通報を受けた警視庁の堀川刑事は、邸内で張込みを始める。やがて男たちの正体がスパイ容疑の次男を内偵中の”特高”と判明するが、雪中の離れの別館で三男が変死体で発見される-------。

作者が亡くなる直前に書下ろしで出版された遺作長編。
時代設定は初期作品を思わせる戦争を背景にしたものですが、学生を主人公とした青春ミステリではなく、名家の秘密が絡む殺人事件の真相に平凡な刑事が迫るといった本格ミステリになっている。
特高刑事たちの監視の目と、雪に囲まれた別館という二重の密室の謎解きはそう大したものではないものの、時局を反映した異様な殺人動機に見るべきものがあります。
ただ、名家女主人の刀自と令嬢・智加子の、ふたりの女性の存在感が突出しているため、途中で真相はぼんやりと見えてしまいましたが。

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