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ミステリの祭典

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秘められた傷

作家 ニコラス・ブレイク
出版日1971年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2014/07/17 15:39登録)
(ネタバレなしです) 1968年発表の非シリーズ作品でニコラス・ブレイク(1904-1972)の最後の作品となりました。ハヤカワポケットブック版の裏表紙解説では「本格ミステリの醍醐味」と紹介されていますが、結局自白頼みで真相が明らかになるのでは本格ミステリとしては高い評価を与えられないと思います(論理的な説明にもなっていません)。サスペンス小説として読むべき作品で、派手な展開ではありませんがじわじわとサスペンスを盛り上げていく手法は手堅さを感じさせます。謎めいたエピローグの意味するところを自分は理解できなかったのが少し心残りです。

No.1 6点 kanamori
(2013/06/10 13:21登録)
桂冠詩人セシル・デイ=ルイスというよりも、最近は映画「リンカーン」のアカデミー賞男優ダニエル・デイ=ルイスの父親といったほうが通りがいいニコラス・ブレイクの最後の長編ミステリ。

作者自身がモデルと思われる主人公が、新進作家時代に生まれ故郷アイルランド旅行で立ち寄った町で巻き込まれた殺人事件を回想する構成になっていて、トマス・H・クックの一連の作品に似た雰囲気のある単発作品です。
被害者の女性以上にその夫の心の動きがちょっと理解しがたいところが文芸作品風w で、遺作になることを予期していたかのようなエピローグが非常に印象に残ります。

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