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ミステリの祭典

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遺品

作家 若竹七海
出版日1999年12月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 5点 パメル
(2025/09/01 19:19登録)
若くして謎の入水自殺を遂げた伝説的女優・曾根繭子。主人公の「わたし」は、金沢郊外の老舗ホテル「銀麟壮」で、曾根繭子のコレクターであるホテル創業者・大林一郎から整理と展示を依頼される。
「わたし」は、木箱を一つづつ開けていくが、狂気的な品々が次々と出てきて、不気味な様相を呈し、不可解な怪異現象が連鎖する。やがて主人公の外見が繭子に似始め、戯曲の内容を再現するように死傷事件が発生する。
ホラー作品でありながら、怪異現象には論理的な説明が試みられ、ミステリ的な合理性を持つ。本作では伝統的なホラーとしての怖さより、収集癖に表れる病的愛情や自己喪失への恐怖といった心理的ディストピア性に真価がある。葉村晶シリーズとは異なる毒とマイルド性が共存するやるせなさが残る物語。

No.3 5点 zuso
(2022/12/12 22:21登録)
死せる佳人の妖影たゆたう洋館というゴシック・ロマン本流の設定による怨霊譚かと見せかけて、最後に意想外の真相を用意した構成は、実に鮮やか。ホテルをめぐる人間模様もよく書き込まれている。ただし、エンディングは賛否分かれるかもしれない。

No.2 7点 884
(2004/01/28 13:10登録)
 オチがどうにも。善人と悪人がひっくりかえらないところが若竹らしくないとは言えなくもないです。オーソドックスなはなしのつくりは、彼女には逆に珍しいと思います。もう一個ぐらいひっくり返してもいいような気もしますけどね。
 それでも中盤に掛けての話の運びは十分に楽しめました。

No.1 5点 はこ
(2001/04/20 20:05登録)
館モノのホラー。
ちょっと在り来たりな感じ。

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