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ミステリの祭典

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特捜部Q 檻の中の女

作家 ユッシ・エーズラ・オールスン
出版日2011年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 YMY
(2019/12/04 20:17登録)
胡散臭い経歴のアサドと気難しいカールのコンビが最高に楽しい。偏屈で頑固だが、実はピュアで要領の悪いカールの人物像は魅力的。さらにミレーデをその過去と心情にまで踏み込んで緻密に描いているせいで、ラストの感動はひとしおだった。

No.1 7点 kanamori
(2013/02/13 11:31登録)
デンマーク発の人気警察小説、未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」シリーズの第1作。北欧ミステリ(主に警察小説)の多彩さ、クオリティの高さを再認識させられた傑作です。

主役コンビの設定、キャラクターが面白い。
コペンハーゲン警察のはみ出し刑事、カール・マーク警部補が命じられた新設の部署は署内の薄暗い地下室。そして部下は雑用係のシリア人アサドたった一人。コーランとお祈り用ジュータンを常に携帯するアサドの奇人ぶりや二人の掛け合いが軽妙です。
その一方で、二人の捜査過程の合間にカットバックで挿入される、拉致監禁された女性国会議員の陰惨な状況描写は緊迫感にあふれており、タイムリミット・サスペンス的興味でグイグイ引っ張られる。この硬軟交えた構成が巧みで、かなりボリュームがあるにもかかわらず一気に読めました。
マーク警部補の部下二人が死傷した過去の未解決事件や、アサドの怪しげな過去など、興味をつなぐサイド・ストーリーも盛りだくさんで、シリーズ次作以降が楽しみです。

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