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ミステリの祭典

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0番目の事件簿
メフィスト編集部

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2012年11月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2020/02/21 22:41登録)
人気作家のアマチュア時代作品を無修正で大公開!作家志望者、ミステリファン必読の“前代未聞”本。
『BOOK』データベースより。

収録順に有栖川有栖『蒼ざめた星』、法月綸太郎『殺人パントマイム』、霧舎巧『都築道夫を読んだ男』、安孫子武丸『フィギア・フォー』、霞流一『ゴルゴダの密室』、高田崇史『パカスヴィル家の犬』、西澤保彦『虫とり』、初野晴『14』、村崎友『富望荘で人が死ぬのだ』、汀こるもの『Judgement』、綾辻行人『遠すぎる風景』。

一様に皆さんがあとがき解説で書かれているのは、赤面するとか恥晒しとかです。しかしながら、満更でもなさそうな様子が伺えるのは微笑ましいところですね。
『人形館の殺人』の原型である『遠すぎる風景』は別格として、意外と霞流一の短い中によく詰め込んだ密室トリックが面白っかったです。あとは初野晴が本格ではないけれど、とても印象深くラストの捻りも好感が持てました。有栖川有栖や安孫子武丸辺りはらしさがよく出ていると思います。
汀こるものはちょっと訳が分かりませんでしたし、西澤保彦に至っては最初から最後までほぼ理解不能でしたね。しかし総合して及第点ではないかと思います。ただやはり、若書きとか粗削りな感は否めませんね。

No.1 5点 kanamori
(2013/09/20 13:05登録)
11人の当代人気作家?のデビュー前の作品を披露しようというイロモノ企画的アンソロジー。

中学生時代の習作、大学ミス研時代の機関紙に投稿した犯人当てから新人賞応募作まで、書かれた状況はそれぞれ異なるものの、その作家の原点が垣間見れる。小説の技巧的にはアレでも、芸風は当時も今も同じである(初野晴だけはちょっと違うかな)。
特に、ミス研出身者の新本格第1世代、有栖川、法月、我孫子、綾辻などは、登場する探偵キャラ(江神二郎、法月林(綸)太郎、速水三兄弟妹、島田潔)からして当時から変わらない。綾辻氏の作品は「人形館の殺人」の原型なので当然ではあるけれど。

アマチュア時代の作品を披露する点に関して、綾辻氏いわく”羞恥プレイ”という側面が当然あるけれど、一方で、文章や小説構成力が稚拙でも、「アイデア自体は最近の作品より面白いんでないの」と評されるリスクもあるw
たとえば、霞流一「ゴルゴダの密室」のバカミス的トリックや、霧舎巧「都筑道夫を読んだ男」の趣向とオチは、個人的にはかなり好みの部類にはいる作品でした。
(ところで、刑事コロンボのファースト・ネームはファンにとっては周知の事実なんだろうか?)

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