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ミステリの祭典

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悪の断面
ナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ

作家 ニコラス・ブレイク
出版日1965年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2016/09/10 05:41登録)
(ネタバレなしです) 1964年発表の本書は名探偵ナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第15作ながら犯人当て本格派推理小説ではなく誘拐された少女を巡っての誘拐犯グループと追跡者グループとの駆け引きをスリリングに描いたスパイ・スリラーです。単なる善悪の対決でなく非情なまでに悲劇的なシーンあり、親子愛を強く訴えるシーンあり、絶妙なストーリーテリングで読ませる作品です。kanamoriさんのご講評の通り後味の悪い場面がありますがそれだけに強い印象を残すのも確かです。

No.1 6点 kanamori
(2013/01/03 14:56登録)
雪深い片田舎の村を舞台に、共産主義者グループが、正月休暇のためホテルに滞在していた著名な物理学者の娘を拉致誘拐するといったスパイ・スリラーです。
私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズが登場するシリーズの一冊ですが、一家の護衛を任されていたナイジェルは殴り倒されたり、ホテル内のミエミエの内通者の特定に手間取ったりで、あまり名探偵らしくないですね。
それでも、犯人グループの動きと捜査側の追及を並行して交互に描く救出劇は緊迫感があり、監禁された自分をモデルにして小説を書く8歳の娘ルーシーの造形も魅力的です。
ただ、ある男の子の扱いや、結末の処理にはどうしても後味の悪さを感じてしまいます。

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