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ミステリの祭典

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のぞきめ

作家 三津田信三
出版日2012年11月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 文生
(2023/06/08 20:47登録)
現代編と過去編の2部構成になっているのですが、現代編がとにかく絶望的すぎて圧倒的に怖い。そして、そのインパクトがミスディレクションとして機能し、過去編における事件の真相を隠蔽する役割を果たしているが見事です。ただ、その仕掛け故、第2部が第1部に比べてあまり怖くないのがホラー小説としては物足りなさを覚えました。

No.1 6点 kanamori
(2012/12/26 12:01登録)
久々(10年ぶりぐらい?)の作家・三津田信三シリーズ。
といっても三津田は最初と最後に登場するだけで、”ある呪われたひとつの村”に纏わる2つの怪異譚が小説の大部分を占めていて、全体の構成は「幽女の如き~」によく似ています。

昭和の終わり、大学生4人がアルバイト先の別荘地近くの廃村で遭遇する恐怖の体験談(第1部)は純粋なホラーで、とくに”視線”のくだりは鳥肌モノです。
昭和の初め、憑依信仰と因習が支配する同じ村を舞台に、ある一家に起きた連続怪死事件をつづった民俗学者の手記(第2部)はホラーミステリ。こちらは途中ちょっと引っ張りすぎと感じるところがありましたが、終章で示唆される”真相”はいかにも作者らしいものでした。
怪異現象にも”説明がつくもの”と”説明がつかないもの”がある。そういった意味では、”如き”シリーズ以上にホラーとミステリが融合している作品ではと思います。

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