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ミステリの祭典

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津和野の殺人者

作家 中町信
出版日1991年07月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2024/12/04 05:20登録)
(ネタバレなしです) 1991年発表の本格派推理小説で、同じ年に発表された「萩・津和野殺人事件」(当初のタイトルは「新特急『草津』の女」でした)とは別の作品です。火災事故に巻き込まれて入院したツアー客の1人が病院から墜落死する事件の謎解きが発端ですが、被害者の女性が性的暴行を加えられていたらしいという設定は読者の好き嫌いが大きく分かれそうです。しかも調査が進むにつれ性的暴行事件が過去にもあったことが浮かび上がってくる展開です。素っ気ない文章の作家なので官能描写はほとんどありませんけど。事件の真相に気づいたらしい弟を殺された姉が主人公で探偵役ですが、あまり感情を表に出しません。ひたすら主人公の推理を否定する犯人、その否定を否定して説明を続ける主人公という解決が印象的ですがちょっと強引過ぎにも感じます。

No.1 4点
(2015/06/21 11:54登録)
これもプロローグに叙述トリックが仕掛けられているのかと疑惑の目で読んだのですが、それほどのことはありませんでした。それでも、もちろんちょっとしただましの意味はあります。
謎の提出の仕方はさすがで、最初のうち様々な疑問点が山積みになっていくところはおもしろいのですが、その後がどうも冴えません。3番目以降の殺人では、誰もが意味もなくある秘密を隠したままでいて、その秘密保持のために次々に殺されていくという、ご都合主義な展開に馬鹿馬鹿しさを感じたのです。
真相が明らかになってみると、最初の事件ではあまりにも偶然を使いすぎていますし、第2の殺人のダイイング・メッセージも、不自然なものでした。メッセージの数字の意味は推理できるタイプではなく、誰にも理解できないものなのですから。まあ読者にとっては、数字の意味に意外性があるとは言えますけど。

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