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ミステリの祭典

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津和野の殺人者

作家 中町信
出版日1991年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2015/06/21 11:54登録)
これもプロローグに叙述トリックが仕掛けられているのかと疑惑の目で読んだのですが、それほどのことはありませんでした。それでも、もちろんちょっとしただましの意味はあります。
謎の提出の仕方はさすがで、最初のうち様々な疑問点が山積みになっていくところはおもしろいのですが、その後がどうも冴えません。3番目以降の殺人では、誰もが意味もなくある秘密を隠したままでいて、その秘密保持のために次々に殺されていくという、ご都合主義な展開に馬鹿馬鹿しさを感じたのです。
真相が明らかになってみると、最初の事件ではあまりにも偶然を使いすぎていますし、第2の殺人のダイイング・メッセージも、不自然なものでした。メッセージの数字の意味は推理できるタイプではなく、誰にも理解できないものなのですから。まあ読者にとっては、数字の意味に意外性があるとは言えますけど。

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