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ミステリの祭典

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古本屋探偵登場
古本屋探偵須藤康平シリーズ/旧題『幻書辞典』

作家 紀田順一郎
出版日1982年08月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点
(2016/11/10 10:10登録)
古本屋探偵シリーズ。『殺意の収集』と『書鬼』の中編2編が所収されている。
顧客が所望する古書を探し出すこと、つまり古書捜索が古書店探偵・須藤の職務である。

『殺意の収集』は、トリックもあり、それなりのラストが控えてもいるから、まずまずの出来ではあるが、謎解き対象が犯罪とはいえ日常の謎に近いものだから、緊迫感はない。
しかも古書がらみの話なので派手さはゼロといっていい。ビブリア古書堂シリーズのように登場人物に華があればよいが、それもなくキャラクタ的に見て魅力に欠ける。

『書鬼』は、須藤だけでなく他の登場人物もおもしろく、魅力的に見えてきた。慣れただけなのだろうかw
須藤が探偵業としてではなく、自分の利益のために動こうとするのがおかしいが、納得もした。
登場人物だけではなく、ストーリー自体がサスペンスフルで読み応えがあった。長編にもできそうな内容である。

地味なことには抵抗があったが、古書の行方や来歴を探る、というミステリーにおける新たな発想を利用したことはすばらしいと思う。

No.1 4点 TON2
(2012/11/19 19:28登録)
文春文庫
東京神田を舞台として、古本屋の店主が本の探偵をする物語です。古本収集の世界にいる書痴のものすごさが気持悪いくらいです。本を読むために。あるいは資料としての必要性から集めるのが普通ですが、なかには本の量だけを愛する者がいるというのも異常です。
本のためなら殺人も辞さないというのですが、ミステリーとして読むと新しいところがなく平凡です。

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