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ミステリの祭典

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薔薇密室

作家 皆川博子
出版日2004年09月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 レッドキング
(2021/08/16 20:36登録)
第一次~第二次欧州大戦期ポーランドを舞台に、人体と薔薇の合成(!)がテーマのSF風怪奇手記と、ポーランド人少女の戦時手記の二視点叙述で語られる歴史奇譚ミステリ。薔薇と梅毒とナチズム、耽美と異形とホワットダニット、熱情と狂気とフーダニットの華麗なるモザイク。おぞましくも素晴らしい「孤島の鬼」「ドグラ・マグラ」・・1点オマケ。
※「死の泉」のゲーリングに続き、今回はヒムラーのみならずヒトラーまで登場の出血大サービス付き。

No.1 7点 蟷螂の斧
(2012/10/14 09:19登録)
300冊目の書評は皆川博子ワールド。世界大戦中のドイツの山奥にある僧院。ここで薔薇と人間を合体させる研究が実施されていた。実は作中作なのですが、現実と作中作が交錯し幻想的な雰囲気を醸し出しています。(というより「ドグラ・マグラ」に似た混乱・・・でもそれほど難解ではない)同時に、時間軸の感覚も混乱させられます・・・。「<ヴィーナスの病>の病原体・・・研究」を誰が書いたかという謎と、この本に翻弄される二人(迫害された少女ミルカと薔薇と共生するとされた元男娼)を中心に物語が進みますが、淡い恋、怪奇幻想、異形人物、ポーランド情勢等々てんこ盛りの歴史幻想ミステリー(?)の大作。でも好みは分かれるかも・・・。

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