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ミステリの祭典

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ダウン・バイ・ロー

作家 深町秋生
出版日2012年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 ◇・・
(2023/04/14 20:30登録)
強い者は富み、力を持たない者は見捨てられる、徹底的に弱肉強食を極めた非情な土地で、ぶっきらぼうな物腰の内に獣のような激しい意志を秘めた少女、響子の孤独な冒険が描かれる。とはいえ、次第に明らかになってくる事件の背景は、ほとんど紋切り型と言っていいもので、いつかどこかで読んだことのある物語や、いつかどこかで実際にあった事件を思わせ、必ずしも驚かされるようなのものではない。
だがむしろ、この驚きの欠如こそが、この小説の奇妙な魅力といってもいい。読後に残された既視感こそ、今現在の日本のリアルという気がしてくるのだ。

No.1 5点 シーマスター
(2012/08/07 22:50登録)
「奥田英郎の『無理』を読んだ人に」でアマゾンのおすすめ商品に入っていた作品。

冬の東北のさびれた地方都市・・・という舞台は『無理』に酷似。主人公も当然『無理』の女子高生とダブる。『無理』を意識して書かれたことは間違いようもない。

文体も一見奥田風だが、読んでみるとさほど引き込まれる文章ではなく情景描写も巧くないように思う。(作者には申し訳ないが感じたままに言うと)奥田英郎の劣化版という印象。

「いじめ自殺」で幕を開ける序盤はいい感じ(私は「いじめ」の撲滅を願っています)だが読み進むにつれ、作者の力みとは裏腹にピンボケにして凡庸なサスペンスの様相を呈するばかりだし、最後にお目見えする化け物はあまりにも違和感が大きい。今更このような小説が書かれる意義がわからない。

濃厚な山形弁とも最後まで仲良しになれなかった。

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