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ミステリの祭典

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骨の刻印
法人類学者デイヴィッド・ハンター

作家 サイモン・ベケット
出版日2012年03月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 猫サーカス
(2018/03/08 17:33登録)
法人類学者デイヴッドを主人公にしたシリーズ第2作。不審な焼死体が発見され、デイヴィッドは島に向かう。常体は燃え尽きているのに、手足だけがきれいに焼け残った異常な状態の死体だった。殺人だと判断したデイヴィッドは、地元警官と元刑事の助けを借りて捜査を始めるが、本土での列車事故や嵐で応援の捜査員は来ず、閉鎖的な島民の敵意にさらされながら孤軍奮闘せざるを得ない。しかし、骨を保管していた建物に放火され命を狙われたり、警官が殺害されたりと、不穏な出来事が起き始める。燃え残った骨の残骸から被害者を割り出す緻密な描写が非常に興味深い。「死者は証言者となり」「真相を語ることができる」とはスリリング。デイヴィッドは妻と娘を事故で失ったトラウマに苦しみ、新たな恋愛でも悩んでいるが、彼の葛藤にも共感を覚えた。後半から一気に加速するストーリー展開と衝撃のラストは読み応え十分。

No.1 7点 kanamori
(2012/08/21 22:16登録)
法人類学者デイヴィッド・ハンター、シリーズの2作目。前作の閉鎖的寒村につづいて、英国最果ての嵐の中の孤島というクラシカルな舞台設定に、死体鑑定のエキスパートを置くミスマッチ的な組み合わせがユニークな謎解きミステリです。
感想を一言で言うと「どんだけひっくり返すんだ!」という感じ。
犯人の指摘があっても残りページを勘案すると、何かどんでん返しがあるだろうと予測はできるのですが、これは想定の遥か上を行く凄まじさでした(最後のサプライズはややあざといか)。一つ気になったのがアンフェアぎみの登場人物表の表記ですが、かといって代替案が思い浮かばないので、これはやむを得ないところでしょうか。

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