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ミステリの祭典

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ココロ・ファインダ

作家 相沢沙呼
出版日2012年04月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2022/01/19 22:45登録)
高校の写真部に在籍する四人の少女、ミラ、カオリ、秋穂、シズ。それぞれの目線=ファインダーで世界を覗く彼女たちには、心の奥に隠した悩みや葛藤があった。相手のファインダーから自分はどう見えるの?写真には本当の姿が写るの?―繊細な思いに惑う彼女たちの前に、写真に纏わる四つの謎が現れる。謎を解くことで成長する少女たちの青春を、瑞々しく描く。
『BOOK』データベースより。

マツリカシリーズの様なねちっこさもなく、あまりに軽いので読み応えがありません。そして各短編の語り手である四人の少女の個性もあまり発揮されているようにも思えませんし、写真やカメラに関するある程度の知識も必要とされる為、評価としてはこの程度にしかならないですねえ。一応日常の謎を扱った青春ミステリという事になるでしょうが、ミステリとして弱いです。何となくサクッと読み進めてしまえるので、少女達の苦悩をそれほど深刻に受け止められず、作者の力量が十全に発揮されているとも思いません。

Amazonの高評価にも首を捻らざるを得ません。うーん、やはり私の読解力が劣っているのかと思わずにはいられません。確かに所々心に響く場面もありますが、深掘りされていない点が多々あるように私には思えますね。

No.1 5点 まさむね
(2013/01/12 23:33登録)
 写真部の女子高生4人をそれぞれの主人公に据えた連作短編。各短編にミステリが織り込まれているものの(第3話のモノは結構好みですが…),「青春小説」としての側面の方が強く出ていた感じですね。
 この作者は,デビュー作「午前零時のサンドリヨン」以降,高校生の心理,特にコンプレックスをテーマにしています。本作も同様であり,「またか?」という思いが無かったといえば嘘になるのですが,多視点でもあり,これまでとは多少違ったテイストも感じたので,まぁ,悪い印象は残らなかったですかね。でも,そろそろこのテーマとは違った作品も読んでみたいなぁ。

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