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ミステリの祭典

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笑うきつね
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグ/別題『笑う狐』

作家 フランク・グルーバー
出版日1962年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/04/09 23:14登録)
(ネタバレなしです) 1940年発表のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズ第2作のユーモアハードボイルドです。2人がまたまた死体を発見して容疑者となってしまい、真犯人探しに乗り出すという典型的パターンです。死体を発見した時に側で生きていた狐(本物です)が次に見たときには何者かに射殺されていたという風変わりな謎も魅力的で、更には20年前の少年失踪事件まで絡んできて、軽快でスピーディーなテンポと複雑なプロットの組み合わせで読ませます。しかし本書を本格派推理小説として評価しようとすると真相がそれなりに意外なだけに読者が推理で犯人当てするのに十分な謎解き伏線があったとは思えないのがとても残念。最後はハードボイルドらしく暴力的に決着させています。といってもこの作者らしく、さほど痛々しい暴力描写ではありませんけど。それから第10章のギャンブル対決描写のサスペンスが出色でした。

No.1 6点 kanamori
(2012/07/21 15:59登録)
ボディビルのハウツー本のセールスで全米各地を渡り歩き、ドタバタ騒動を巻き起こしながらも最後に殺人事件を解決する、ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグのコンビ・シリーズ2作目。

金欠状態の二人が泊るホテルの部屋での死体発見というシリーズのお約束のような発端から、サイコロ賭博や養狐業者の展示会でのお馴染みのセールス・パフォーマンスと、軽ハードボイルド風のテンポのいい場面展開で飽きさせません。
メインの謎である20年前の少年失踪事件の真相はやや伏線不足といえますが、最終章で関係者を一堂に集めた謎解きが定番を外したかたちで捻っています。

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