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ミステリの祭典

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逃走と死と

作家 ライオネル・ホワイト
出版日1961年08月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 ◇・・
(2020/05/17 20:03登録)
競馬場の売り上げ金強奪を計画する五人の男の行動を描くサスペンス。
登場人物たちの心情と行動の様子が、同時多元描写でなされている手法がとにかく画期的だった。
S・キューブリック監督の映画「現金に体を張れ」の原作でもある。

No.1 7点 kanamori
(2012/07/09 20:34登録)
4年の刑期を終え出所したジョニーは、かねてより計画していた大金強盗という大博打を実行するため、4人の仲間を募り着々と準備を進めていくが・・・・・。

ロングアイランド競馬場の売上金強奪計画をえがいたクライム・ミステリ。
最近立て続けに読んだジャック・フィニイのゲーム感覚の襲撃小説と異なるのは、ノワールの味わいが強いこと。
競馬場の出納係やバーテンダー、ジョニーの友人である警官など、どのメンバーも金銭と家庭に問題を抱えていて、それぞれの複数視点での描写が物語に厚みをもたせ効果をあげているように思う。
とくに、クライマックスの襲撃シーンでの、カットバック方式を使った10人以上の登場人物の多元描写が斬新で非常にスリリングに感じた。これは映像向きシーンだと思っていたら実際に映画化されていた。監督は「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」のスタンリー・キューブリック。

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