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ミステリの祭典

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殺意の時刻表

作家 斎藤栄
出版日1980年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2012/06/08 21:42登録)
これは斎藤栄の中でも評価の分かれそうな作品です。まあ高評価派もせいぜい6点どまりでしょうけれど、一方1点以外考えられないという人がいても当然という気がします。
タイトルから『死角の時刻表』みたいな鮎川哲也由来の鉄道利用アリバイ崩しものを予想していると、思いっきり肩すかしをくわされます。ではなぜ「時刻表」なのかと言うと…おっと、これ以上書くとネタバレになってしまいそうです。
余計な付け足しに過ぎない3番目の殺人などやめておいて、その分家族関係について描きこんであれば、この基本的構図なら人情派の感動作にもなり得たかもしれません。しかし作者の文学的感性の欠如では、そのような方向性は求めようもありません。評価分裂の原因である、脱力系と言えなくもない最後の意外な展開(ただし明確な伏線は張ってあります)のみが印象に残る珍品になっています。

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