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ミステリの祭典

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茶室殺人伝説

作家 今野敏
出版日1986年04月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 クリスティ再読
(2024/10/08 11:49登録)
武家茶道・相山流の家元のお茶席で起きた事故死。お点前のさ中、被害者は自らの胸に出刃包丁を刺して死んだ...死んだ男は茶席の亭主である次期家元と口論しているのを主人公紅美子は耳にした。死んだ男が紅美子の先生で水屋を任された女性幹部とも口論していたのを思い出す。この怪死はまさに利休と流祖との因縁とも関連する「秘伝」にも関りが?家元の次男の秋次郎と紅美子は組んでこの事件の解決に乗り出す....

茶道ミステリNo.4はこんな話。作者は高校大学と茶道部に所属していたそうで、お点前の描写のリアリティと精度が素晴らしい。このところ読んだ「茶道ミステリ」ではベスト。利休の賜死の真相を含む「秘伝」は、作者が茶道と同じように武道に凝ったことからのアイデアだろうね。扇子は帯刀の代わり、ということになっているから、空想としてはまあありか。だから殺人プロセス自体のバカミスっぽさに眼はつむるけど、終盤が無理筋の因縁話でリアリティがなくなってくるのが難。

でもお点前描写の良さと、家元のキャラクターに「こんな先生だったらいいよね」な理想があって、素直に共感できる。これを加点して6点。けど、この作家、妙な社会批判をしたがるクセがあるんだな....

No.1 4点 いけお
(2012/05/27 01:28登録)
そんな秘伝の極意なんてあるのか、ミステリらしくもなくキャラもいまいち。

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